先月ですが、白い恋人パークに常設展示しているロンドンバス1階の窓ガラスに、イースターをテーマとしたウィンドウデコレーションを制作しました。
触れる環境だったため状態は維持できず、本日修正の作業をし、5月末まで展示予定です。
この記事では今回の制作の裏側と、ウィンドウデコレーションのちょっとしたコツや魅力をまとめました。
これからウィンドウデコレーションを制作したい方の参考にしていただけたら嬉しいです。
使用画材
窓ガラスに描いて消すことができる「Kitpas(キットパス)」を使用しています。
水性なので、水拭きで消して何度もやり直しをすることができます。
主成分が植物由来のライスワックスにリニューアルされ、24色のカラーバリエーションも発売されました。


基本的にはこのキットパスの他に、ダスター(雑巾)やウェットティッシュだけで充分です。
その他、マスキングテープやマスカー(養生シート)などがあると、窓の周りを汚しにくく作業もしやすいと思います。

絵を描くのが苦手な方へのワンポイントアドバイス
どうしても自分で絵を考えるのが苦手な方は、フリー画像などを利用してなぞるという方法があります。
フリー画像を印刷した紙を窓の外側に貼り、窓の内側からなぞると、思い通りに描けるのではないでしょうか。
反転するので、文字などはあらかじめ左右反転したものを印刷すると作業がしやすいですね。

私はだいたい、先方のご要望をもとに事前に制作した下絵を見ながら描きます。
簡単なラフなので読みにくいですが、今回はこんな感じでした。

制作する時の注意点
必要なのは「画力」なんかより、断然「体力」と「集中力」です。
正直絵を褒められるより、朝から夕方まで腕を上げながら描き続けることを褒めてもらいたいほど。
特に屋外での作業は、暑さか寒さとの闘い。
今回の制作は、最高気温が10度差のある2日間でした。
また、現場での制作は脚立を使用したり、制作の環境にとっては障害物となるようなものもあります。
今回はバスの座席が窓との距離を阻んでいたので、お行儀の悪い姿勢だったことは誰にも見られていませんように…!

絵を描くことは、なんだかか弱そうな人がやっているイメージですが、実際はガテン系の体力勝負。
制作した次の日は大体、筋肉痛です。
余談ですが、日頃どのように体を鍛えているかは前回の記事をご覧くださいね。
窓ガラスに描くことならではの楽しさ
一つ目は、透明ならではの特徴を活かして、実物のものと絵が重なるレイヤー感を利用することです。
具体的には、顔ハメのように顔を合わせると変身したように見えたり、奥に見える風景に合わせて絵を描くなどです。
実際には見えないものをただ可視化するだけで、場の空気って変わったりしますよね。

二つ目は、時間帯や天候によって見え方が変わるということです。
外側が明るいか、内側が明るいかで絵の表情が変わるんですよね。
要は、朝と夜とでは雰囲気が違うのです。

まるで生き物のようだ。なんちゃって。

個人的には絵自体だけではなく、絵の影にも是非注目していただきたいです。
強い光が差した時にできる影が、別の場所に絵を描いているみたいですよね。

時間帯によって太陽の位置が変わるので、斜めになったり、少し曇ると薄くなったり。
このように、奥にあるものを絵の主人公にすることも、時間によって絵の印象が変わることも、透明な窓ガラスだからこそ味わえる感覚なのではないかなと思います。
今までの一部の制作例
ステラプレイス札幌そらの広場ステラ9


ムジカホールカフェ


芸術の森 工芸館

ネッツトヨタ釧路

札幌ドーム


登別ショッピングセンター アーニス

札幌市えほん図書館(ワークショップ)


他にもたくさんの制作の機会をいただいておりました。
さいごに

大人も子どもも楽しめるウィンドウデコレーション。
いつもと変わらない景色に、ちょっとしたスパイスを加えてみてはいかがでしょうか。
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